1月7日に出た記事によるとデジタルガレージがツイッターを日本に持ってくるようだ。ちょっと検索してみたらすでにローカライズ作業も始まっているようで、スタッフブログまで公開されていた。大体3月頃には日本語化されたツイッターを見ることができそうだ。
これはまた別件であるが、ある噂によると、国内の某ミニブログサイトと大手企業が買収交渉をしているという事だ。このような話や、最近も続いている新しいミニブログサービスの登場を見ると、今年の春にはミニブログへの注目度がかなり上がるような気運を感じる。
ここ何年かで国内で大ブレイクしたブログやSNSのように、ミニブログが定着し、幅広く普及される可能性について皆はどう考えているのだろうか?個人的な予測だが、ミニブログはブログが歩んできた道を辿っていると考えている。すなわち、ミニブログもブログのようにパブリッシングプラットフォームとして大きく普及されるツールになるのではないかという事だ。
そのように考える理由はまず、ミニブログが本質的に、ウェブユーザーが持つ2つのニーズを満たしていると思うからだ。すなわち、「Twitterで代表さ れるチャット系のミニブログは日常の喫煙室対話や休憩中の教室対話をネットで忠実に再現」したし、Tumblrで代表されるパブリッシュ系のミニブログは「個人の人生の記録を残すアルバムやメモ または手帳などを忠実にネットに再現した」と思うからだ。
このように、我々の日常の行動の中で、既に存在していた部分をネットに再現したツールは、間違いなく定着しているという事が、今までのウェブサービスが我々に教えてくれた事ではないだろうか。
前回「ミニブログの本質」を書いてから、吉川さんが以下のようなコメントを付けてくれた。
ミニブログですが、私は今のところIMの発展版という感じで捉えていますし使い方もそんな感じです。ICQ->Yahooメッセンジャー->Twitterとツールは変ってきていますが使い方ややっていることはあんまり変っていない。
ただ面白いのは、ICQ->Yahooメッセンジャーの間にはホームページの隆盛がメッセンジャー->TwitterではBlog/SNS 隆盛がというように、メッセージ系とパブリッシュ系が交互に来ていることにあると思います。Twitterのあとは、再度ある程度の文章をまとめて配信す るツールが流行ると睨んでいます。
この意見の中で吉川さんが言っている「次にくるパブリッシュ系のツール」は多分Tumblrのようなツールのではないかと思っている。偶然だが、吉川さんのコメントを読んだ後、非常に似ている意見を持ったブログエントリと出会った。彼はRead/Write Webで良く投稿するAdaptiveBlueの創業者兼CEOであるAlex Iskold氏で、彼の意見を整理してみる。
TwitterはチャットとSNSの中に位置しているバーティカル化された新しいコミュニケーションプラットフォームであり、TumblrはSNSとブログの中に位置しているバーティカルな領域を取っている新しいPublishingプラットフォームだ。ブログが使いやすさを武器でホームページを代替したようにTumblrは専門ブロガーによるブログを除いた個人用のブログを代替していく。
ブログの場合、そもそも個人の著作ツールとしてスタートしたのに、最近は個人ホームページとしてブログをほぼ更新できず、放置状態のまま維持している人が少なくなりつつあるし、益々専門ブロガーによるブログが殆どのアクセスを食い取っている傾向が強まっている。
また、ブログから離れてSNSに定着した人も実は日記などの著作ツールよりもコメントや足跡などを利用してコミュニティー的な利用に留まっているのも指摘している。結局、TumblrはそのブログとSNSの間で新しいユーザーを見付けた新しいPublishingプラットフォームである。
吉川さんとAlex Iskold氏の話はともに非常に納得できる話だ。結果的に2人のお陰でミニブログに関するきれいに整理できた。
この観点から考えてみると、今まで国内にあるミニブログは殆どTwitter系に近い。Tumblrに近いツールと言えば、既存の携帯ブログが一 番近づいているのではないかと思う。
ミニブログが今後国内で定着していく中で、どのような変化を遂げるのかまだ見えないが、Twitter系のミニブログ (Twitter日本語版?)とパブリッシュ系のミニブログが今後伸びるのは確かで、ブログやSNSの王座を引き継ぐ可能性も非常に高い。